出汁の王国・鹿児島プロジェクトの特集記事
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作り手の心配りが凝縮した鶏出汁のスープ、 島のおもてなし料理「鶏飯」。

奄美の里 レストラン「花ん華」 料理長 松尾勝也

学校給食でも大人気の郷土料理?
子どもからお年寄りまで広く愛される一品。

奄美の里 レストラン「花ん華」 料理長 松尾勝也

奄美の里 レストラン「花ん華」 料理長 松尾勝也さん

カレーに並んで、鶏飯は学校給食でも人気だとか。

そうなんです、私の子どもも「鶏飯が給食に出るんだ」と嬉しそうに言っていましたよ。(笑)具をごはんにのせて汁をかけて食べる、というのが楽しいのでしょうね。鹿児島本土の子ども達は、家庭ではあまり食べないのに鶏飯が好きだというこうとは口に合うのでしょうね。
優しい味で、さらさらと喉に入っていくので子どもも食べやすく、人気なのでしょう。

人気の秘密としてはバリエーションが多いというのもあるのでしょうね。

以前、夏場に「スタミナのつくような鶏飯を考えられないだろうか」という相談を受け、いろいろ試行錯誤してみました。冷麺のような冷やし鶏飯も試してみました。そしてふと街で、夏に「カレーフェア」が多かったり、辛い食べ物が注目されたりしていることに気づいたのです。そこで、中華の担々麺と韓国のチゲ、そして鹿児島の鶏飯を組み合わせてみようか、と。
いろいろと味を試して、やっと現在のメニューでお出ししている「旨辛味」ができ、いまやお客様に人気の一品になりました。私自身驚くくらい、夏場は注文が多いですよ。
その後、もっと鶏飯をいろいろなヒトに食べてもらうためのアレンジはないかと色々考えて、今、姉妹店のシルクイン鹿児島1F「HANAN CAFÉ」では、通常のベーシックな鶏飯と「旨辛味」のほか、「カレー味」や奄美の特産のアオサを使った「グリーンシー味」を提供しています。

家庭で料理する時も、いろいろ味を変えてみてもいいのですか?

そうですね、ぜひに。和食には鰹や昆布の出汁が、洋食にはコンソメといったように、ベースを作って料理に合わせて味を加えていくので、難しく考える必要はありません。
具材の基本は、椎茸や錦糸卵、ネギ、それに、みかんの皮と海苔など。奄美大島だと紅ショウガが入っていますね。また、漬物もいいです。奄美大島の本格的な鶏飯はパパイヤ漬けを入れていますが、「花ん華」では山川漬け(干大根の塩漬けを調味醤油で味付けした南九州の伝統的な漬物)を添えています。なお、彩りにエビを入れるのも当店のオリジナルです。
具材には、味の濃いものはあまり入れないほうがいいですよ、スープの味を消さないものを使う。
出汁をきちんと取れば、具でもスープでも鶏飯にバリエーションを加えていくのは、楽しいです。ぜひ、自由にやってみてください。

奄美の里 鶏飯
奄美の里 鶏飯 スープ

【番外編!1問1答】
インタビューに同席くださった奄美の里 常務取締役の藤 陽一さんにお聞きしました。

-「奄美の里」はどのような施設でしょうか。

奄美の里は鹿児島市内において、奄美大島の自然や文化を広く紹介するために作られた産業観光施設で、来年で開園40年になります。

ご紹介のありました奄美鶏飯を食べられるのはもちろんですが、それ以外にも、奄美の資料館、大島紬の工場や美術館などがあります。大島紬の製造工程は細かくは40工程以上ありますが、その中でも特に代表的な工程とも言える、柄締めや手織りなどの工程をご覧いただけます。熟練した職人さんの匠の技は一見の価値があると思いますよ。

また、奄美の里の施設内には奄美をイメージした奄美庭園や情緒豊かな日本庭園もあり、毎日多くの観光のお客様にお越しいただいています。

-「出汁の王国・鹿児島」プロジェクトに参加されたきっかけを教えてください。

さつま麺業の山下さん中原水産の中原さんとお会いしたときに「鹿児島を出汁でPRしていく」ということに、とても興味を持ったのです。なかなかないユニークな視点だな、と。出汁をテーマに県外から鹿児島にいろいろな方が来てくださるようになり、枕崎の鰹船人めしを食べて、その次に奄美の鶏飯を、と、ここ鹿児島の豊かな食を楽しんでいただけるとうれしいですね。
また、奄美大島の独特の文化も紹介できればと思っています。

奄美の里の企業サイトはコチラ

奄美の里の鶏飯が買える「南国食材商店」はコチラ

インタビュー後記:

蒸し鶏に錦糸卵、椎茸やお漬物——、身体に優しい出汁と具材でできた「鶏飯」。島の方々が、大事なお客様をお迎えするために家にある食材を集めて作ったという、エピソードをお聞きして、食の背景にある作り手の生活や想いにとても興味を持ちました。そして、その温かい気持ちは、現在、季節や指向の変化に合わせて、料理人 松尾さんの手でアレンジされています。伝統の味を守るとは、その想いを伝えていくことかもしれませんね。

インタビュアー

四元朝子
コーディネーター、PR

奄美の里 レストラン「花ん華」の方と記念写真

右から奄美の里 レストラン「花ん華」料理長 松尾勝也さん 奄美の里 常務取締役 藤 陽一さん 四元

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