出汁は、味の豊かさを知る、人生の楽しみ さつま麺業株式会社 代表取締役社長 山下大介 —では、生活のなかで毎日出汁を体に取り入れることはなぜ必要なのでしょう。 昨年、京都大学 栄養化学の伏木教授が、鹿児島で講演をしました。先生は、マウスを使った実験で食の常習性を調べたのですが、「脂質」「糖分」、そして体に必要なアミノ酸である「旨味」に常習性が強く見られるそうです。人間にとって、脂質と糖分は、ポテトチップや揚げ物、コーラ、アイスクリームなど普段から気軽に摂取してどんどんと虜になっていくのですが、旨味つまり体を作るアミノ酸は家庭の教育と食習慣で、おいしさに気づき習慣性がでてきます。そして、旨味の味を覚えていく事で、脂質や糖分などの過剰摂取を押えることができるかも知れません。健康的な食生活へと移行することができるそうですね。 出汁にこだわって44年。鹿児島の<食>を見直し、厳選した食材をふんだんに使った贅沢な一品を提供する。 ー山下さまの会社「さつま麺業」では、出汁作りをどのように取り込んでいらっしゃいますか? 昭和43年、鹿児島中央駅(当時は西鹿児島駅)前の大きなビルにラーメン店をオープンさせました。当時、ラーメンは屋台で食べるようなものでしたが、私たちは、「鹿児島の郷土料理」にしたいという気持ちを持っていました。なので、当初からきちんと出汁をとることにこだわり、美味しいものをお客様にちゃんとご提供したい、という気持ちがありました。 それから、うどんやそばも手掛けるようになり、基本的には出汁と麺への愛情がキーになるお店を展開しています。 ちなみに、うどんとそばのお店では、2種類の出汁を作っています。おそばは鹿児島らしい鶏ガラと鰹の出汁で、うどんは鰹やいりこの出汁。うどんとそばを同じスープではなく、麺によって出汁を変えるのは鹿児島ならではです。 ーお店でご提供するための食材のこだわりがあれば教えてください。 天然の良い素材の旨味を大切にしています。最初のひと味、そして口の奥に広がる素材の味と、最後に残る後味をきちんと出すためには、水と調理技術ももちろんですが、充分に吟味しますね。 そして意外に重要なのは使用する食材の量。例えば、おいしい一番出汁をとるために大切なのは、鰹節は惜しみなくふんだんに鍋に入れること。驚くほど大量の鰹節を鍋いっぱいに投入し、それをさっと取り出します。コストはいくらかかってるのか、と思うくらいの大変な量なのですが、これをやると本当に美味しい。質のいいものを大量に使わなければいけないのですね。また鶏や豚の出汁をとる際は、時間と手間をかけてコトコト作る。これが大切です。朝4時からスープを仕込みますが、これを苦労とは思いません。丁寧に出汁をとるのは大好きな行程ですね。それだけおいしいスープができるのですから。 さつま麺業:http://www.satsuma-mengyo.co.jp/ インタビュー後記: 鹿児島の出汁を巡る旅第一弾でお邪魔した「さつま麺業」の山下さん。ラーメンのスープを何種類もの出汁から作り出すというその奥深さや、鹿児島独特の食の歴史や文化をお聞きし、驚きの連続でした。料理の基本「出汁」を通して鹿児島という土地を見る——、その楽しさが鹿児島にはあふれています。 インタビュアー 四元朝子 コーディネーター、PR ページ: 1 2 コメントを残す コメントをキャンセル メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です 名前 * メールアドレス * ウェブサイト コメント 次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>
出汁は、味の豊かさを知る、人生の楽しみ さつま麺業株式会社 代表取締役社長 山下大介 —では、生活のなかで毎日出汁を体に取り入れることはなぜ必要なのでしょう。 昨年、京都大学 栄養化学の伏木教授が、鹿児島で講演をしました。先生は、マウスを使った実験で食の常習性を調べたのですが、「脂質」「糖分」、そして体に必要なアミノ酸である「旨味」に常習性が強く見られるそうです。人間にとって、脂質と糖分は、ポテトチップや揚げ物、コーラ、アイスクリームなど普段から気軽に摂取してどんどんと虜になっていくのですが、旨味つまり体を作るアミノ酸は家庭の教育と食習慣で、おいしさに気づき習慣性がでてきます。そして、旨味の味を覚えていく事で、脂質や糖分などの過剰摂取を押えることができるかも知れません。健康的な食生活へと移行することができるそうですね。 出汁にこだわって44年。鹿児島の<食>を見直し、厳選した食材をふんだんに使った贅沢な一品を提供する。 ー山下さまの会社「さつま麺業」では、出汁作りをどのように取り込んでいらっしゃいますか? 昭和43年、鹿児島中央駅(当時は西鹿児島駅)前の大きなビルにラーメン店をオープンさせました。当時、ラーメンは屋台で食べるようなものでしたが、私たちは、「鹿児島の郷土料理」にしたいという気持ちを持っていました。なので、当初からきちんと出汁をとることにこだわり、美味しいものをお客様にちゃんとご提供したい、という気持ちがありました。 それから、うどんやそばも手掛けるようになり、基本的には出汁と麺への愛情がキーになるお店を展開しています。 ちなみに、うどんとそばのお店では、2種類の出汁を作っています。おそばは鹿児島らしい鶏ガラと鰹の出汁で、うどんは鰹やいりこの出汁。うどんとそばを同じスープではなく、麺によって出汁を変えるのは鹿児島ならではです。 ーお店でご提供するための食材のこだわりがあれば教えてください。 天然の良い素材の旨味を大切にしています。最初のひと味、そして口の奥に広がる素材の味と、最後に残る後味をきちんと出すためには、水と調理技術ももちろんですが、充分に吟味しますね。 そして意外に重要なのは使用する食材の量。例えば、おいしい一番出汁をとるために大切なのは、鰹節は惜しみなくふんだんに鍋に入れること。驚くほど大量の鰹節を鍋いっぱいに投入し、それをさっと取り出します。コストはいくらかかってるのか、と思うくらいの大変な量なのですが、これをやると本当に美味しい。質のいいものを大量に使わなければいけないのですね。また鶏や豚の出汁をとる際は、時間と手間をかけてコトコト作る。これが大切です。朝4時からスープを仕込みますが、これを苦労とは思いません。丁寧に出汁をとるのは大好きな行程ですね。それだけおいしいスープができるのですから。 さつま麺業:http://www.satsuma-mengyo.co.jp/ インタビュー後記: 鹿児島の出汁を巡る旅第一弾でお邪魔した「さつま麺業」の山下さん。ラーメンのスープを何種類もの出汁から作り出すというその奥深さや、鹿児島独特の食の歴史や文化をお聞きし、驚きの連続でした。料理の基本「出汁」を通して鹿児島という土地を見る——、その楽しさが鹿児島にはあふれています。 インタビュアー 四元朝子 コーディネーター、PR ページ: 1 2