「かごしま4」タイアップ料理紹介、第5回目は鹿児島製茶テスト

出汁の王国・鹿児島プロジェクト推進協議会は、MBC南日本放送の番組「かごしま4」とタイアップ、毎月1回料理コーナーで「出汁」を活かしたレシピをご紹介します。
第5回目は令和元年12月20日金曜、美老園の「霧島抹茶」を使って、西ひろみ先生に抹茶ピラフを作っていただきました。
番組の様子は下記からご覧いただけます。

「かごしま4」タイアップ料理紹介、第5回目は鹿児島製茶

https://blogs.mbc.co.jp/kago4/21760/

「霧島抹茶」のお求めは美老園のネットショップで!

http://birouen.shop-pro.jp/?pid=145096723

「かごしま4」タイアップ料理紹介、第3回目は坂元醸造テスト

出汁の王国・鹿児島プロジェクト推進協議会は、MBC南日本放送の番組「かごしま4」とタイアップ、毎月1回料理コーナーで「出汁」を活かしたレシピをご紹介します。
第3回目は令和元年10月18日金曜、坂元醸造の「黒酢」を使って、西ひろみ先生に鹿児島の美味しい豚肉で酢豚を作っていただきました。
番組の様子は下記からご覧いただけます。

「かごしま4」タイアップ料理紹介、第3回目は坂元醸造

https://blogs.mbc.co.jp/kago4/19673/

黒酢のお求めは坂元醸造のネットショップで!

http://www.tsubobatake.jp/shop/

「かごしま4」タイアップ料理紹介、第2回目は9月9日(月)島田屋テスト

出汁の王国・鹿児島プロジェクト推進協議会は、MBC南日本放送の番組「かごしま4」とタイアップ、毎月1回料理コーナーで「出汁」を活かしたレシピをご紹介します。
第2回目は令和元年9月9日金曜、島田屋の「黒豚なんこつチャーシュー」を使って、美味しいレシピを作っていただきます。

島田屋の黒豚なんこつチャーシュー

骨までトロトロになるまでじっくりと煮込んだコラーゲンたっぷりの黒豚なんこつを
昭和42年以来半世紀以上変わらぬ秘伝の「たれ」で仕上げた、島田屋の「黒豚なんこつチャーシュー」は、真空パックのまま湯煎にてお召し上がりになれますが、オーブントースターやフライパン等で香ばしく焼目を付けると、更に美味しく黒豚の旨味を味わっていただけます。
ご飯に乗せてご飯のお供、又はお酒のおつまみやラーメンのトッピングなど楽しみ方も
アイデア次第です。
nankotsu

お問合せは島田屋フリーダイヤルへ 0120-88-2971

出汁プロジェクト、MBC南日本放送とタイアップスタートテスト

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出汁の王国・鹿児島プロジェクト推進協議会は、MBC南日本放送の番組「かごしま4」とタイアップ、毎月1回料理コーナーで「出汁」を活かしたレシピをご紹介します。
第1回目は令和元年8月23日金曜、中原水産の商品を使って、料理研究科の西ひろみさんに美味しいレシピを作っていただきます。

番組内容
●放送時間 
15時50分-16時50分「かごしま4」内の料理コーナー
●出演者
MBCアナウンサー 下山英哉、豊平有香
●構成
出汁プロ参加企業商品とのコラボレーションや、
鹿児島の「出汁」を活かした新メニュー・レシピが登場

7月7日、鹿児島市に出汁プロショップがオープン!テスト

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「出汁の王国・鹿児島プロジェクト」の販売コーナーが、鹿児島市産業道路沿いにある「奄美の里」South Villa Gardenのおみやげショップ「加那衣屋」さん内にオープンいたしました!!
かつお節、豚、鶏、エビ、お茶、黒酢など、生産地である鹿児島が誇る様々な「旨味」の素材を活用した商品を取りそろえております。
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オープン時に取り揃えている商品は以下の通りです。

・出汁パック「和魂」       的場水産

・かつおせんべい16枚入箱
・ピリッとかつべい
・旨味茶節(本枯れ節)
・本枯れ黄金だし10P入
・本枯れ黄金つゆ
・だし黒酢ジュレ
               以上 中原水産

・鶏飯                奄美の里

・焼海老辣油
・旅する焼エビ 醤油のトマトソース
・旅する焼エビ うに醤のペペロンチーノ
・旅する焼エビ 大葉のジェノベーゼ
               以上 下園薩男商店

・坂元のくろず 天寿 200ml
・坂元のくろず 薩摩 360ml
               以上 坂元醸造

・知覧茶鈴子缶
・サツマルシェアソート
・西郷コレクション
               以上 鹿児島製茶

・黒豚めしの素          肉の名門 島田屋

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鹿児島にお越しいただいた皆様のちょっとしたお土産にもなりますし、普段「旨味の調味料」としてもお使いいただける商品も数多くご用意しております。
西郷どんも滞在していた奄美の文化を楽しめる「奄美の里」さんで、郷土料理で鶏のおだしが良く利いたスープをかけて食べる「鶏飯(けいはん)」を召し上がった後、出汁プロジェクト販売コーナーで出汁商品をお買い上げいただく・・・まさに「出汁まみれのテーマパーク」が誕生しております。是非お立ちより下さい!!

尚、奄美の里のショップは朝9時から夕方5時半まで営業しており、年中無休です。(年末年始の営業時間はお問い合わせ下さい)
アクセスや問い合わせ先は下記をご参照ください。

http://www.amaminosato.jp/access/

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下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!テスト

下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!
下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!

出汁プロジェクトのメンバー企業である株式会社下園薩男商店(本社;鹿児島県阿久根市大川54 代表取締役社長;下園満)は、9月9日にショップ、カフェ、工場にホステル(ゲストハウス)を併設した「イワシビル」をオープンしました。
 
9月7日に行われたオープニングパーティーの模様を含めて新しいビルのご案内を致します。
オープニングパーティーは特に社長や来賓挨拶等という堅苦しい儀式は一切抜きで、和気あいあいとした雰囲気の中、県内外からたくさんの方々がお越しになり、二階の工場や三階のホステルを参加者が自由に見学するといった感じで進みました。
阿久根市出身のKYT橋口アナウンサーが取材に来て、プロジェクト責任者である下園正博常務から話を聞いていました。

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イワシビルをOPENした経緯を下園正博さんは以下のように話していました。

旅する丸干しという丸干しのオイルサーディンを発売し、3年がたち、カフェ・販売所が併設された工場を、海が見える丘の上に作りたいと思っていました。
そんなときに突然社長が、安かったという理由から阿久根の中心地にあった使われていなかった3F建てのビルを購入してしまったのです。
何をするかは決めてくれということで、3F建てのビルをどうしようかと考えていたところ、グランビューという阿久根にあった、温泉付きの大きな宿泊施設がなくなったり、泊まれるところ、特に若い人たちが集まってくるような宿泊施設が無いということから、ホステル(ゲストハウス)が併設したカフェ・ショップ・工場であれば面白いものができるかもしれないし、旅する丸干しと同様旅繫がりで色んなことを発信できるのではないかと考えました。
ちょうどその時期に、阿久根に地域おこし協力隊として京都から入ってきていた「石川さん・細原さん」の2名はリノベーションのプロであり、京都でもツクルビルというアーティストが集まるビル等、多数のリノベーションを手掛けている方達との出会いもありました。
 
イワシビルという名前も石川さんからの提案であり、自分達の方向性が運命づけられているような印象です。「イワシビル」は旅と時をコンセプトに企業理念の「今あるコトに一手間加え、それを誇り人生を豊かにする」この考えのもと、今ある地域のものに一手間加えて、食品だけではなく、ボンタンの木を使ったカッティングボード等様々な商品を手掛けていきたいと考えています。

下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!
下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!

1階のショップでは、下園薩男商店の商品以外にもカフェを運営、土日のみ11:30~14:00まで20食限定でランチも提供、土日は14時以降もしくはランチ終了後、平日は11時~18時、塩クリームをのせて食べる「港町のたい焼き」も販売してるそうです。

下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!

下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!

しかし、最も注目すべきは3階のゲストハウスですね。企業理念である「今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ、人生を豊かにする」この理念の基、「時」と「旅」をコンセプトにした通り、若い人が阿久根を訪れる「旅」に使って欲しいと下園正博さんは考えているようです。

下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!

下園薩男商店、阿久根市に旅と時をコンセプトにした新拠点「イワシビル」をオープン!

2017年9月5日現在のホステル料金一覧表
セミダブルルーム:
1人 3,500円
2人 4,500円

ダブルルーム
1人 4,500円
2人 5,500円

和室(セミダブルツイン)
1人 5,000円
2人 6,000円
3人 6,500円
4人 7,000円

*幼児は無料(小学生からお一人様。人数が増えてもベッド数は変わりません。)

■レンタル販売品一覧
【レンタル】バスタオル:300円/枚フェイスタオル:200円/枚  スリッパ:100円/足
【販売】歯ブラシ:100円/本 ペットボトル飲料:150円/本

連絡先 0996-28-0200
Facebook https://www.facebook.com/iwashibldg/

阿久根市には他にも水戸岡鋭治がデザインしたJR阿久根駅駅舎を始めとして、港にあるお肉の直売所「HARVEST」等、訪れてみたい所が沢山あるようです。そう言えば、イワシビルのすぐ近くにカフェバーもありましたね。是非一度、阿久根を訪れてみたら如何でしょう。

http://go-akune.jp/

イワシビル

ふだんの料理がグンと美味しくなる! “目から鱗の出汁づかい”満載の、 「鰹家おかみさんのレシピ」がスタートしました。テスト

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「出汁を取るのは面倒だし、上手に取るのは難しい」と思っていませんか? それは大きな誤解。出汁って、思ったよりも簡単に取れるうえ、毎日の料理を美味しく、楽にしてくれる強い味方なのです。そんな、さまざまな出汁づかいを手軽な料理とともに紹介してくれる、枕崎の『伝承工房 鰹家』のおかみさん、的場真美さんの連載コラムが7月から始まりました。実は、真美さんもかつお節については素人だったとか。だからこそ、出汁初心者でも美味しくて楽につくれるレシピが誕生しました。これから紹介する料理を、よりよく取り入れていただくために、「知っておくと、こんなに便利」な出汁づかいのコツや魅力をご本人にうかがいました。

大阪から嫁ぎ、かつお節と出汁の魅力に開眼

1956(昭和31)年に創業し、鹿児島県枕崎にある自社工場でかつお節を製造、加工、販売する的場水産株式会社は、地元では全国鰹節類品評会農林水産大臣賞などを受賞する老舗として知られ、自社ブランド『伝承工房 鰹家』を展開しています。的場水産の嫁として大阪から嫁いできた真美さん。出汁の美味しさに目覚めたのは、結婚を機に枕崎で暮らすようになってからだそう。もともと料理は好きだったものの、それまでは、わざわざかつお節を削って出汁を取ることはなく、出汁の本来の味をわかっていなかったと言います。

そんな真美さんが、「外食も好きなのですが、関西風のうどんを食べたいと思っても、食べられるお店を見つけるのは容易ではなく、それなら自分でつくっちゃえと、自ら出汁を引いて料理を作るようになりました。そうしたら驚くほど美味しくて、私でもできるんだ!って感激したんです。出汁の味が料理を左右することに気づいてからは、料理がますます好きになり、出汁にはまっていきました」と話してくれました。

出汁をストック。これで料理が美味しく、楽になる。

「これを使って料理すれば、お店にも負けません」という出汁は、かつお節と昆布がベース。週に1回ほどの割合で、まとめて出汁を取り、冷蔵庫にストックしておくのが真美さん流です。
「料理のたびに出汁を取っていたのでは、つくる気力が萎えてしまいます。でも、出汁のストックがあれば、卵をかき回して具を加えるだけで茶碗蒸しがつくれますし、市販の鍋スープを使わなくても、出汁に味噌を加えれば味噌鍋、キムチを加えればキムチ鍋と、いろんな鍋があっという間に完成します。出汁を取るのは面倒ではなく、手が空いた時にまとめて取っておくと、その後の料理が楽になるんです。

「当時は、かつお節はどのようにしてつくられるのか、また、かつお節に種類があるということも知りませんでした」という真美さんは、かつお節屋に嫁いでその奥深さを知り、自分の覚書として2009年からブログをスタート。次第に他の人にも知ってもらいたいとの気持ちが強まり、facebook などのSNSを利用して、出汁に興味のある人たちと情報を共有し、さまざまな人とつながっていったことで、さらに世界が広まっていったと語ります。

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健康的で、手間も精神的にも負担のない料理が鉄則

現在は、『伝承工房 鰹家』のおかみさんとして忙しく働いていますが、独身時代は大阪で薬剤師として働いていたという真美さん。「私たちの健康は食事との関係が深く、毎日食べている料理が健康を左右します。でも、天然の出汁を使えば塩分なども抑えられるので、凝った料理をつくらなくても、体にいい料理が簡単につくれます」と、健康を守る出汁の力にも注目しています。

実は真美さんは、「かんぶつマエストロ上級」、「枕崎かつおマイスター」、「だしソムリエ3級」といった、さまざまなスペシャリストの顔も持っています。興味のあることをとことん突き詰めていく性格だそうで、「もっと知りたいと思って勉強したら資格がついてきた」と笑いますが、彼女がつくる料理は、「料理のプロセスがシンプルで、時間も手間もかからず、精神的に負担にならない」というのが鉄則です。

また、出汁はかつお節にこだわらず、いろいろな乾物を使います。保存食の乾物は健康食材のうえ、それぞれの旨味の相乗効果のおかげで、調味料をたくさん使わずにすむので一石二鳥。健康は気になるけれど、「忙しくて料理をする時間がない」、「料理が苦手」といった人でも取り入れやすいというのも大きな魅力です。

知っておくと便利な、おかみさんのルール

それでは、真美さんの出汁取りのルールを紹介しましょう。出汁は、水1.5リットルに対して、昆布15g、かつお節30gがベース。昆布は5gずつカットしておき、水:昆布:かつお節=10:1:2の割合と覚えておくと便利です。出汁を取る際は、前の夜に、水を入れた鍋に昆布をつけておき、翌日、鍋を火にかけ、沸騰する直前に昆布を引き上げたら、かつお節を入れて火を止めます。そのまましばらく置き、漉して粗熱を取ってから冷蔵庫に保存すれば完了。

「少しくらい昆布を入れたまま沸騰させても問題ありません。私は布巾を使わずにザルで出汁を漉していますし、冬場は濾さずに鍋ごと冷蔵庫に入れ、お玉ですくって使います
と真美さん。話をうかがっていると、出汁へのハードルがどんどん低くなり、試してみたくなるから不思議です。

出汁の味を整える調味料もいたってシンプルです。関西出身の真美さんが使うのは、薄口醤油、塩、みりんの3種類。味を濃くしたい時は薄口醤油を、甘くしたい時はみりんを多めに入れれば、失敗がなく、自分好みに仕上がると言います。さらに干ししいたけなどの他の乾物を追加すると旨味がより深まり、ごま油を入れると中華風に仕上がります。

出汁の世界が広がる料理が満載

以前は、かつお節を削って出汁を取るのは面倒という人が多かったようですが、最近は、かつお節を削ることがブームとして広がりつつあるようです。特に若い世代のお母さん方の関心が高く、「子どもが削りたてのかつお節を気に入り、パック入りの削り節を食べなくなった」という声も多く寄せられるそうで、『伝承工房 鰹家』では、高級な本枯れ節と一緒に削り器がよく売れていると言います。

一方で、出汁を取った後の出汁ガラの処分に困るという声もあるそうです。
「出汁ガラでかつお節のふりかけをつくる人も多いですが、そればかりだと飽きてしまいますし、正直言って2番出汁を取った後のかつお節は美味しくありません。それを毎回取っておくのは精神的に負担になるので、私は心置きなく捨てています。ただ出汁ガラでも昆布は美味しいので、捨てずに活用します。コラムでは、出汁ガラの昆布をお酒がすすむ佃煮やチップスに変身させる方法も紹介しますので、参考にしてください」と真美さん。

出汁は吸い物や味噌汁、鍋料理だけでなく、卵焼き、野菜炒めの味付けとして、また、炊き込みご飯、煮魚、肉じゃがなど、水で煮炊きする代わりに使うと旨味が増して美味しくなります。このように、出汁というと和食のイメージがありますが、レシピには、イタリアンなどの洋食もたくさん登場します。7月からスタートする、目から鱗の出汁づかいが満載の『鰹家おかみさんのレシピ』をぜひお楽しみください。

鰹屋おかみさんのレシピはこちら

インタヴュー・文 御門あい

「枕崎に出汁横丁を作りたい!」夢を抱く出汁男がプロデュースする枕崎おだし本舗『かつ市』がオープンテスト

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町のあちこちに「いで小屋」と呼ばれるかつお節工場があり、そこからもくもくと立ち上る煙、辺りいっぱいに漂うかつお節の香りが、どこかノスタルジックな鹿児島県枕崎。その情景は、どの家庭でも、毎朝かつお節を削り、味噌汁を作っていた時代、日本一のかつお節の産地として活気にあふれていたことを喚起させる。いつしか家庭からかつお節を削る光景とともに、日本からかつお節工場の町並みも消えていったが、枕崎のかつお節職人たちは、日本一の産地としてのプライドを持ち、昔ながらの伝統を誠実に守ってきた。かつての活気こそないが、当時の面影が残るかつお節の町の風景は、日本ではもうここにしかない。

かつお節の魅力と文化を伝える拠点に

「枕崎に来てほしい。そうすればきっと、かつお節のファンになる」。
枕崎の出汁男こと中原水産代表取締役の中原晋司さんが、2008年にUターンした当時から思い続けていたことだ。本物のかつお節の味や出汁文化を広げるため、全国各地で出汁教室を開いてきたが、出汁の魅力を伝えるには限界があると感じていたという。「昔ながらの情景や文化が残り、かつお節の本拠地であるこの町でやってこそ、すべてを伝えられる」と確信した中原さんは、その拠点として、中原水産のブランド「かつ市」の直営店、『枕崎おだし本舗 かつ市』を地元枕崎にオープンした。

かつ市店舗

「枕崎を訪れるのは一生に一度という方も少なくありません。だからこそ、一期一会を大事にしたい。それにはお客様とコミュニケーションできるサロン的な場が必要だと思っていました。本来の味や香り、また、どのような工程を経てかつお節が作られるのか、職人の苦労や伝統文化といった背景も含め、かつお節の魅力のすべてを五感で感じていただけるのが、この店です

中原さんがこう語る「かつ市」初の直営店は、JR枕崎駅から歩いて約3分、枕崎市駅通り沿いある。これまでインターネットや催事等で販売していた「かつ市」の全商品を購入できるだけでなく、店内には大きな木のテーブルがあり、引きたての出汁を飲め、かつお節削りを体験できる。5月26日にオープンしたばかりだが、すでにいくつか団体客も訪れ、好調だという。

本来の魅力に触れれば、出汁にはまる

中原さんが毎回出汁引き実演時に実施するアンケートによると、今やかつお節を削り器で削って出汁を引いている家庭はわずか約3%、削り節パックで出汁を引いている人も約30%と、自分で出汁を取らない日本人が多数を占めるという。だが、出汁男の中原さんが、出張おだし教室や催事で各地へ出かけ、その場でかつお節を削り、出汁を引いて飲ませると、その美味しさに感動し、出汁の魅力にはまる人も多い。それは、自らかつお節を削って出汁を引かなくなったことで、本当の味を知らない、あるいは忘れてしまっている日本人が増えているということでもあるが、出汁の本来の美味しさに出会えば、再び出汁の原点に戻るということを、中原さんは経験を通して実感したという。

「パック商品や顆粒だしといった商品は、利便性を突き詰めてしまったために、出汁本来の美味しさや香りが失われてしまいました。ただ、おいしければいいというものではありませんし、利便性を追求することは原則です。でも、出汁の原点に戻りたいという方がいる限り、それを伝えることが重要です。原点を踏まえながら、取り入れやすい方法をお伝えしています

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出汁もお茶を煎れるのと同じくらい簡単

目の前で自慢の出汁を引いてもらった。シュッシュッシュッと、かつお節を削る心地よい音とともに、香ばしい香りが鼻をくすぐる。削りたてのかつお節を口に含むと、上品な旨味がパッと口いっぱいに広がった。
「これは本枯れ節です。吸い物や茶碗蒸しによく使われるかつお節で、まろやかな風味と後味の良さが特徴です。これに荒節と昆布の出汁を加えると、深みのある出汁が仕上がります」
荒節とは、ゆでたかつおを2、3週間煙で燻して仕上げるかつお節のことで、名前の通り、味が濃く、力強い香りという印象を受ける。本枯れ節とは、さらに荒節に何度もカビ付けして天日干しにし、長時間熟成させたもので、かつお節の最高傑作といわれている。

一般に使われているのは荒節で、本枯れ節は高級料亭などで使われる貴重な高級品。中原さんは、この2種類のかつお節をティーサーバーに入れ、熱い昆布出汁を注ぐ。待つこと3分。黄金色の出汁が出来上がる。何も足さずに、そのままいただいてみた。レストランで極上のスープをいただいているような美味しさだ。この出汁で作った料理が、美味しくないわけがない。
「香りの強い荒節と後味の良い本枯れ節を使うと、かつお節の良さが際立つので2種類を使っていますが1種類でも十分です。出汁を引くのは面倒という声も多いですが、あらかじめ昆布出汁を引いておけば、かつお節を削るだけの手間だけで、お茶を入れるように簡単です」

出汁を引くのは、着物と同じ日本人の“たしなみ”

先ほど語ったように、顆粒だしに、削り節やかつおパックを入れて香りをつける「追いかつお」といった取り入れやすい方法も教えてくれる。いつもの料理を、手軽な方法で本格的な味に近づけられれば、こんなにうれしいことはない。
「僕は、出汁は着物と似ていると考えています。いつもは洋服でも、ここぞという時に着物を着るように、普段は顆粒だしでも、大切な日にはきちんと出汁を引く。毎回、かつお節を削って出汁を引く必要はないと思うんです。日本人の“たしなみ”として、使い分けて欲しい」

本枯れ節や荒節の使い分けについてもこう語る。
「本枯れ節が良くて、荒節は悪いということもありません。コーヒーに種類があり、それぞれの個性を楽しむように、出汁も楽しんでもらいたい。料理によって出汁を使い分けると、よりおいしく、味わいにも変化が生まれます。鹿児島には、かつお節以外にもさば節やいわし節など、いろんな出汁があります。まずは、かつお節の奥深さを伝え、それを入り口に、少しずつ豊かな鹿児島の出汁文化を広めていきたいと考えています」

地元だからこその商品も「かつ市」の強み

「かつ市」の商品は、枕崎でつくられた品質の高いかつお節のみを使用し、最高品質を保証する枕崎水産加工業協同組合の「枕崎鰹節」認定を受けたものばかり。かつお節は、使い勝手の良い削り節や粉に加工した商品もあるが、できたてのかつお節を、その場で加工し、パックしているため、鮮度や香りが高いことも特徴だ。
お客様の声も随所に反映され、出汁教室で紹介する出汁の秘伝の配合を商品化した出汁パック、本枯れ節をベースに焼きあごなど鹿児島産の天然出汁をブレンドした粉末だしなど、極上の出汁を簡単に引ける商品がそろう。

「本物の旨味を、よけいな添加物を極力使わず、手軽に使えることにずっとこだわってきました。僕が健康でいられるのも、出汁をずっと飲んできたおかげだと思っています。美味しさはもちろんですが、出汁は体にいいということも伝えたい」

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鹿児島特産品同士のコラボ商品を開発

鹿児島の特産品、旨味、健康をキーワードに開発された商品もある。坂元醸造と共同開発した「だし黒酢ジュレ」は、今年4月に発売された。まろやかな黒酢の酸味と出汁の旨味がほどよく調和し、ドレッシングやつけだれとして利用幅が広い新調味料だ。なかでも餃子や唐揚げなど、脂っこい料理との相性が良い。発売して間もないが、その人気は口コミで広がり、県内だけでなく東京まで、取り扱う販売店も拡大している。

「健康にいい黒酢も出汁もアミノ酸の結晶で、それぞれに旨味があり、コラボレーションすると旨味は1+1ではなく、何倍にもなります。しかも、2つを合わせることで互いの欠点を補うことができました。出汁は黒酢の酸味の強さを中和し、黒酢は腐りやすい出汁の保存を可能にした最強のコラボレーション商品です。食のコラボレーションは、作曲をしているようなワクワク感があります。世界にはさまざまな食材があるので、かつお節との組み合わせは、無限だと感じています」

世界中から人が訪れる「出汁横丁」に

かつお節のファンになってもらうには、味だけでなく、文化や背景を知ってもらうことも重要と語る中原さんは、忙しい合間を縫い、自らも店に立ち、出汁を引きながら話をする。
「出汁のことを詳しく知りたい方には、“出汁男”の私と“出汁兄貴”の兄が対応させていただいています。ただし、両名とも出張で留守にすることもあるため、電話などで事前に確認していただけると確実です。団体様向け(20人まで)の出汁ライブも行っており、こちらは事前予約が必要です」

長年の夢だった、サロン機能を持つ直売店をオープンさせた中原さんに、最後、今後の目標についてうかがった。
「この取り組みを、ぜひ成功させたいと思っています。同じような店が増えれば、 “出汁横丁”のような通りが生まれ、世界中から人が来るようになり、枕崎に昔の活気が戻ります。そうなればいいなと願っています。出汁の素晴らしさを伝えて多くの人に喜んでもらい、枕崎の企業が発展できたらこんな幸せなことはありません。それはこの地に生まれた者の喜びであり、使命と思っています」

インタヴュー・文 御門あい

<枕崎おだし本舗かつ市>

住所 :鹿児島県枕崎市東本町74-1
電話番号:0993-72-2232
営業時間:10:00~16:00
定休日 :12月31日、1月1日(以外にも休みになる場合も)
駐車場 :3台
URL :http://www.katsu-ichi.com
Facebook「薩摩海鮮 かつ市」

だしソムリエ3級講座を開催いたしました。テスト

 出汁の王国・鹿児島プロジェクトでは、「だしソムリエ協会」の方々をお招きして、だしソムリエ3級講座を開催いたしました。今まで九州では福岡でのみ開催されていた、だしソムリエ講座。鹿児島では初開催となります。

当日の様子をレポートしてまいります。

だしソムリエ講座3級鹿児島開催の様子まずは準備の様子。講座で使用する出汁を取るところからスタートします。日高昆布、羅臼昆布、かたくちいわし、しいたけ、かつお節などなど、手早く10種類以上の出汁を用意していきます。

だしソムリエ3級講座鹿児島開催の様子

出汁の湯気で会場がふわっと優しい香りに包まれます。

だしソムリエ3級講座鹿児島初開催の様子

 会場は満員でした。出汁の素材が豊富な鹿児島。出汁に関わる仕事をしている参加者も多く、近くに座った方同士でも講座開始前も出汁にまつわる雑談で盛り上がりました。当日はMBCのテレビ取材も入りました。

だしソムリエ3級講座鹿児島初開催の様子

  写真左はだしソムリエ協会代表の鵜飼真妃さん。(鵜飼さんのインタビュー記事はコチラ)右は岡田光さん。岡田さんは宮崎の原木椎茸問屋「岡田商店」で商品開発に取り組んでいらっしゃいます。「干ししいたけのうまみをもっと多くの人に伝えたい」との思いからだしソムリエ協会の認定講師の資格を取得し、現在は講師もされています。

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 講座ではワインのテイスティングのように、だしを一種類ずつ味、舌触り、香り、色を確かめていきます。調味料を混ぜる前のだしの味をしっかり確認することは少ないのではないでしょうか。

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 そして、昆布+鰹節、昆布+あご、しいたけ+昆布+鰹節などだしをいろいろブレンドして味わいの変化を体感します。「うまみの相乗効果」という表現はだしの世界でよく使われているものですが、意識して試してみるとうまみが飛躍的にアップすることに驚きます。

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 おなじみ「カツオ解体君」を使って、かつお節の製造工程を説明される岡田さん。出汁プロジェクトでは”出汁男”中原晋司さんが出汁取りライブでも活用されています。

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 実際に出汁を取るところも体験します。代表で鹿児島製茶代表取締役森社長に実演いただきました!写真のように和やかで楽しい雰囲気です。一緒に出汁をとるって、何よりのコミュニケーションかもしれません。

今回のだしソムリエ3級講座では、新たに鹿児島に20人のだしソムリエ3級資格者が生まれる予定です。(テストの結果次第ですが・・)
これからも出汁プロジェクトでは出汁に関わる様々なイベント、学びの場を企画してまいりたいと思います。いつかだしソムリエ2級講座も開催できればいいですね。皆様ぜひよろしくお願いいたします。

だしソムリエ協会HPはコチラ

いよいよグランプリ決定!11/3国民文化祭「鹿児島出汁文化巡り」当日レポートテスト

出汁の王国・鹿児島プロジェクト推進協議会と鹿児島女子短期大学が、共同で開発に取り組んできた「出汁茶漬け」を11月3日(火)城山観光ホテルで開催された「鹿児島出汁文化巡り」のイベントにてお披露目させていただきました。2回の試食会を経て絞り込まれた出汁茶漬け3レシピをそれぞれ100食試食で提供し、一般投票でグランプリを決定!

併せて「鹿児島の出汁」について話すパネルディスカッションも開催。パネラーとして鵜飼真妃氏(だしソムリエ協会)、千葉しのぶ氏(鹿児島女子短期大学講師)、梛木春幸氏(料理家)が登壇。コーディネーターはおなじみ「出汁男」中原晋司氏が務めました。 当日の様子をレポートしてまいります。

女子大生がレシピ開発した鹿児島出汁茶漬け

試食会場入り口。出汁茶漬けの材料、ポイントを説明したパネルが展示されています。栄養学を専攻している学生らしく、アレルギー表示も明示してくれてあります。

出汁茶漬けの試食を配る女子大生

 

出汁茶漬けの試食を配る女子大生

 

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 一生懸命働く女子大生たち。自分たちで約一年かけてレシピ開発を担当した出汁茶漬けを振舞います。班によっては、本当に遅くまで調理室に残って「どうしたらもっと美味しくなるんだろう、楽しんでもらえるんだろう」と考え抜いたレシピ。その場で出汁をかけて、お客さんには温かい状態で召し上がっていただきます。

城山観光ホテルで開催された国民文化祭イベント。当日100人の定員でしたが、見事満席でした!会場にいらっしゃった方からは「完成度が高い!」「発想が若くて面白い」といったご意見いただきました。 出汁茶漬け3レシピをご紹介します。

■あご出汁の角煮かぶら茶漬け

女子大生がレシピ開発したあご出汁の角煮かぶら茶漬け 

 濃い味の黒豚の角煮にあっさりとしたかぶら蒸しが合います。鹿児島名産、桜島の小みかんの皮のみじんぎりを薬味にしているので、口の中で柑橘の爽やかな味が広がります。紅葉の麩で季節感を演出しています。

■本枯れ出汁の焼きおにぎり茶漬け

鹿児島の女子大生がレシピ開発した本枯れ出汁の焼きおにぎり茶漬け

さすがかつお節の王様の本枯節。出汁がふわっと上品に香ります。出汁の味の素晴らしさをシンプルに伝えてくれるレシピです。香ばしい焼きおにぎりには鹿児島茶の粉末が入っていて、あっさり食べれます。

■えびと鶏出汁のタカエビ丸ごとホワイト茶漬け

鹿児島の女子大生がレシピ開発したえびと鶏出汁のタカエビ丸ごと茶漬け

今までにない洋風のお茶漬け。魚類市場に行って鹿児島のエビについて学んだ勉強熱心なグループ。エビの風味を活かすために、殻を炒ってから出汁をとったり、干しエビで出汁をとったり。試行錯誤の末、エビの殻を粉末にしてご飯にも混ぜ込む今のスタイルに落ち着いたそうです。

出汁茶漬けの試食が終わったら、後半は女子大生によるプレゼンテーションです。

女子大生による出汁茶漬けプレゼンテーション女子大生による出汁茶漬けプレゼンテーション

レシピ開発にあたり、こだわったこと、苦労したこと、を伝えていきます。それぞれの班の想いが伝わってくるプレゼンテーションでした。

梛木春幸先生とだしソムリエ協会鵜飼真妃さん、鹿児島女子短期大学講師千葉しのぶ氏による出汁に関するパネルディスカッション

最後に、鵜飼真妃氏(だしソムリエ協会)、千葉しのぶ氏(鹿児島女子短期大学講師)、梛木春幸氏(料理家)による出汁に関するパネルディスカッション。コーディネーターはおなじみ「出汁男」中原晋司氏が務めました。

そしていよいよラスト。グランプリの発表です。

さつま麺業代表の山下社長

出汁プロ会長の山下さんがグランプリを発表します。

あご出汁の角煮かぶら茶漬けのチームすみちゃん's

グランプリはあご出汁の角煮かぶら茶漬け」のチームすみちゃん’sでした。

商品はさつま麺業年間パスポート

 山下会長から賞状と一年間の仏跳麺パスポートを進呈。なんと、さつま麺業の仏跳麺が一年間食べ放題!

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学生の皆さま、一年間お疲れ様でした。今回のグランプリは「あご出汁の角煮かぶら茶漬け」となりましたが、どの出汁茶漬けもそれぞれ素晴らしいものでした。

今回の3つの出汁茶漬けのレシピは、クックパッドでも公開しております。皆様もぜひご家庭などで試してみてください。

クックパッド(南国食材商店のキッチン):http://cookpad.com/kitchen/12792129